ご案内
京都市西京区、小塩山の東麓に鎮座する神社。長岡京遷都の際に藤原氏の氏神である奈良の春日大社から勧請されたと考えられています。「小塩山」は山城国の歌枕です。
⇒源氏物語ゆかりの地説明板
■御祭神
・第一殿:建御賀豆智命(たけみかづちのみこと)
・第二殿:伊波比主命(いわいぬしのみこと)
・第三殿:天之子八根命(あめのこやねのみこと)
・第四殿:比賣(ひめ)大神
「源氏物語」<行幸>より
「源氏物語」に直接の登場はありませんが<行幸>において、大原野の地に冷泉帝が鷹狩りの行幸をしたことが語られています。その行幸の行列を玉鬘が見物したのでした。
源氏は物忌のため行列への供奉には不参加。冷泉帝は残念に思い源氏と和歌を交わします。
冷泉帝が詠んだ和歌
”雪深き小塩の山にたつ雉の 古き跡をも今日は尋ねよ“
源氏が詠んだ和歌
”小塩山みゆきつもれる松原に 今日ばかりなる跡やなからむ“
この贈答歌に詠まれる「小塩山」は大原野の西にある山です。
『紫式部集』より
紫式部は父・藤原為時の任国である越前にて日野山に積もる雪を見ながら、京近くの小塩山を思い出し、次のような和歌を詠んでいます。
“ここにかく日野の杉むら埋む雪 小塩の松に今日やまがへる”
紫式部にとって、「小塩山」は望郷の念と結びついて想起される存在であったことがうかがえます。
中宮彰子の行啓
寛弘2年(1005年)一条天皇中宮彰子が大原野神社を行啓、父・藤原道長が同伴する行列は大変華やかであったといいます。